五番町夕霧楼

水上勉の「五番町夕霧楼」

京都の日本海側に住んでいていた夕子が、遊郭・夕霧楼に売られる。
夕霧楼では、女将も助けてくれ、良い客もついていた。
故郷で知り合った鳳閣寺の正順も「遊び」に来ていた。

しかし、夕子は病魔に倒れることになる。そんな中、正順が鳳閣寺に放火するという事件を起こす。
正順はどこかおかしいと思っていた女将ではあったが、夕子と一緒に働いてた娘が夕子からの話を聞いていた・・・正順の生い立ちや鳳閣寺での仕打ちの話、それに同情している夕子・・・

放火で捕まった正順は自殺し、その後、夕子は病院から失踪する・・・。

***

たまたまこの本を手に取ったのだが、これも「金閣寺放火」をモチーフにした作品だったのだ。
ついつい、直前に三島の「金閣寺」も読んでいたので、偶然にびっくり。

こちらも正順の屈折した感情が鳳閣寺(金閣寺)の放火へ繋がっていくとしていることは同じなのだが、こちらでは故郷で恋人だった夕子がいることになっている。
夕子は家が苦しいのがわかっていて夕霧楼に行くという理由という他に、恋人と同じところにいたかったのか? 着いてから出した手紙に、正順への手紙もあったし。

地域と時代と育ちが、二人を一緒にさせることはなかったのだ。そんな中で二人が選ぶ道、いや選べる道というのは限られている・・・。

最後の夕子の父親の「なぜ、死んだんだ」という台詞。たぶん、親は理解することはできないんだろうな、きっと。

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